【世界は女性とデジタルが救う】3.地球は子孫からの借りもの!

「地球は先祖から譲り受けたものではなく、子孫からの借りもの」というネイティブアメリカンのことわざがあります。

全人類が、今、最も優先すべきなのは「地球を次の世代に、より良い環境のまま渡すこと」。

我々はこの20年、「クラウド化する世界」を経て「持たざる経営」を学びました。

デジタルを活用して「サブスク」を創り出し、「所有から共有へ」、「共有から非所有へ」という変遷を受け入れてきました。

その我々だからこそ、「所有へのこだわり」を捨て、あらゆる資源を必要な時に必要なだけ使うことを”当たり前”に出来る。

我々の時代のことわざは「地球も全部、サブスクでいいじゃん、みんなで大事に使おうよ」とかって、なるのかもしれません。

2020年3月2日のロイター通信は、「アメリカ航空宇宙局(NASA)は1日、中国で汚染レベルが大きく下がっていることを示す人工衛星写真を公開し、新型コロナウイルス流行による経済活動の停滞が「少なくとも原因の一部」だろうとの見解を示した」と報じました。

各種のメディアも、コロナによる移動の減少で「ベネチアの水がきれい」になり、「渋谷のCO2排出量が20%も減った」など、地球がきれいになったことを報道しました。

言うまでもなく、コロナは人類史上、未曾有の悲劇です。

その中でも、数少ない「いいこと」の一つは、コロナの間だけでも地球がきれいになったこと。

我々は、リモートワークによって「移動しなくても仕事が出来る」ことを実証しました。

同時に、移動が限られたことで、コミュニケーション力、社会生活力が低下し、多くの失業者を生み、孤立化によって自殺者が増加するなど、深刻な弊害ももたらされました。

体温の感じられる人の繋がりは、とても大切です。

だとしても、我々、特にデジタルに関わるものが絶対にしてはいけない安直な選択は、「だったら元に戻そうよ!」だと思います。

繰り返しになりますが、今、全人類の最優先事項は「地球を守ること」です。

移動を代替エネルギーに変えることも大事だけど、視点を変えて「移動そのものを減らす」方が話が早い。

「移動を最小限にすることで地球を救える」のなら、それを“正“とし、その弊害を、別の何かで解決するべく知恵を絞る。

それこそが、我々のあるべき姿だと、心の底から思います。

日本は、20代後半から40代までの「働き盛りで子育て世代」の女性の就業率が低いことでも知られています。

「第一子が生まれた後の就労継続は約半分」との統計もあります。

この数字は、「働き盛りで子育て世代」は働かずに子供を持つか、子供を持たずに働くかのどちらか、つまり、「子供か就労かの二者択一」になっていることを示しているのかもしれません。

でも、もし「すべての弊害が解消され、世の中みんながリモートワーク」になったら、たくさんの人たちが子育てと仕事を両立出来る。

リモートは地球を救い、その上、労働人口が減る日本を救う。

この仮説が成立するのであれば、「リモートワークの反省と改善策の模索」を、もっともっと真剣に行うべきだと思います。

日本の女子大生におけるIT志望者は20%を切っていて、”リケジョ”ですら僅か19%!!

私が在籍をしていたアバナード(株)では、お茶の水女子大と協力して、そういった状況を変えるべく、いろいろな活動をしています。

私も、「大学では遅い、中高生にITの素晴らしさを伝えよう」を目的としたセミナーに協力をさせていただきました(お偉いさん相手より緊張しました!)。

日本は、今、深刻なデジタル人材不足。

奪い合いは、熾烈です。

同じ母数の人材を奪い合っているだけでは、日本のデジタル人口は増えない、母数そのものを増やさない限り、未来はありません。

若い世代のIT志望を上げるだけでなく、家庭にいる人や別の仕事をしている人たちにデジタル人材になってもらうことも重要です。

アバナードでは未経験者、とりわけ女性を意図的に採用し、デジタル人材に育てる「アバナードアカデミー」という取り組みも始めています。

リモートによって女性の就労率が上がるのであれば、是非、デジタル人材として活躍して欲しい。

女性のデジタル人材は”引く手あまた“です。

デジタルは生産性を上げ、利益を生み、給与をあげます。

サブスクを実用化し、資源を効率的に使う基盤でもあります。

女性のデジタル人材が活躍する世界をつくることが、結果的に「明るい未来を作り」、「地球をきれいなまま子孫に渡すことにつながる」のだと、心の底から思います。

第1回:【世界は女性とデジタルが救う】1. 日本ってどんな国?(IT投資と給与)

第2回:【世界は女性とデジタルが救う】2. 女性こそ救世主!!